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おひとり様女子のエッセイ

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アラフィフ女子 マネジメントに必要不可欠な「尊重すること」を76歳の母から学ぶ。

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画像:photoAC fujiwaraさん

 

実家への仕送り

 

毎年、師走の時期になると「そろそろ、実家にお金を送らなくちゃ。」と思うのです。

 

マネジメント、「尊重すること」と、実家への仕送りは、一見関係ない話ではあるのですが、この度、仕送りをするにあたり、母と話をする上で、いろいろと考えさせられることがあり、気づかされたことがありました。

 

心が痛かったですが、学んだと思います。

 

わたしの家族は、昨年父が亡くなり、実家の母と兄のふたりだけになりました。

 

母と兄は同居してます。

 

わたしは19歳に実家を離れ独り暮らしをして以来、実家で暮らしたことはありません。

 

わたしの兄は事情があって低所得者ゆえ、家に入れられるお金は2万円ほどです。

 

母は年金暮らしで、昨年他界した父の年金と合わせても、10万円に届きません。

 

母と兄は市営住宅に住んでいるため家賃は抑えられますが、それでも月額10万円弱で生活費をすべて賄うのは、なかなか厳しそうです。

 

わたし自身は会社員で管理職とは言えども、それほど年収が高いわけでもないですし、お金が有り余っているわけでもないので、毎日、それなりに節約しながら生活しています。

 

なので、仕送りできる額は限られます。

 

ひとまず、母から「お願いしたい」と言われた額25万円ほど毎年帰省の時期に、母にお金を渡してます。

 

もっと送ろうと思えばできないこともないですが、私自身マンションも購入したばかりでローンを抱えており、また、自身の老後も考えなければならないので、無理はしないようにしています。

 

仕送りをすることは、家族が困っていれば当然のことであり、何の問題もなかったのですが、わたしの心の奥底で「もっと節約できるでしょうに」と、母と兄に対して思うところがありました。

 

たまに帰る実家での生活ぶりをみると、「わたしだったら、こうはしない。」と思う無駄な消費があると感じていたからです。

 

「無駄使い」と思ってしまうこと

 

余生短い母に楽しんでもらうためのお金なら、喜んで「どうぞ使って」と思うのですが、日々の生活のためのお金となると、その「日々の生活をどう生きているのか」が気になります。

 

もう少し明確に言うと、「どうお金を使っているのか」が気になるのです。

 

正直なところ、帰省する度、「無駄な消費が多いなー」と思ってます。

 

また、「もっと、賢い消費ができないもんかなー」とも思ってます。

 

母も兄もネットが使えないので、普通の人が普通にやっていることなどを知らずに、同じものを高額支払しているケースが散見されます。

 

また、割引を受けるための努力を「メンドクサイ」と言って、したがらない傾向も見受けられます。

 

例えば携帯電話。

 

昨年、半ば強引に母と兄をY Mobileに連れて行って家族割で契約してもらいました。

 

母も兄も月額8,000円ぐらい払っていたので、Y’Mobileに切替え後、母は月額1,500円、兄は月額3,500円ぐらいとなり、また、固定電話もソフトバンクに切替え、ずいぶん節約となりました。

 

日々の買い物も、そのまんまの店頭価格で購入しており、ポイントも貯まらず、何の創意工夫もないなーっと思ってました。

 

母は毎朝、毎晩買い物にでかけ、都度、お昼ごはんやら、晩御飯のお惣菜など、あれこれ買い、毎日3,000円~4,000円は食費に費やしてました。

 

毎日、お惣菜を何品か買い、晩御飯には、おかずが3~4品並びます。

 

どう考えても買いすぎ、食べ過ぎです。

 

そして食べきれず残ってしまうと、翌日食べるでもなく、残飯として処分してしまうという、なんとももったいない話。。。

 

心が痛みます。

 

わたしだったら、必ず、翌日の食事にまわします。

 

飲料水も、スーパーでは500mLのボトル水が70円ぐらいで買えますし、その他コーヒーなどの飲料水も100円も出せば買えますが、毎回となると、それなりにコストがかさみますし、まったくエコじゃないなーと。

 

それに加えて、兄は兄で、自分は昼にラーメン屋に行ったり、コンビニ行ってカレーを買ったり、500円~を何のためらいもなく使います。

 

兄の場合、低所得にもかかわらず、たばこもやめられないし、お酒も毎日飲んでます。

 

たばこの本数を減らし、お酒も自宅で焼酎を薄めて飲んだりなどしてるらしいですが、なんとかならないものかと、妹としてはあれこれ思うわけです。

 

特にたばこは、どう考えても健康面でも良くないし、今後、どんどん価格も上がっていくことでしょうから、できることなら治療してでもやめる努力をして欲しいと思ってしまいます。

 

また、どういうわけか、自分の部屋に冷蔵庫が完備されており、まるでホテルのような便利さ。

 

自分の部屋から出て、10歩でも歩けば、すぐ台所に冷蔵庫があるのに。。。

 

電気代が高いこのご時世、「どう考えても、必要ないでしょ」と思ってしまいます。

 

また、「ここの電気、つけて出かける必要ないでしょ」と思うのですが、母曰く「だって、帰ってきた時暗いじゃない、つけたままにしてちょうだい」と言います。

 

こういった具合で、もっと賢く買い物をし、料理も毎日することなく数日食べられるものを一気に作り、必要じゃない光熱費をもう少し節約すれば、確実にもっとコストを抑えられるのにと、思ってしまうのです。

 

わたし自身は、どちらかというと「ミニマリスト」に近い感覚があります。

 

自分にとって、本当に必要な物、大事なものしか買わないし、家の中に置かないです。

 

また、食物を無駄にして捨てることもほとんどないですし、プラスチックのごみの量などもかなり気になります。

 

マンションを買ってから、お金の使い方には、だいぶ気を配るようになりました。

 

たとえば、

 

〇コンビニでは弁当や総菜など買わない

〇スーパーの総菜は割引品しか買わない

〇お水などは箱買い(2L)

〇買い物は週一で使い切り

〇光熱費は最小限

〇洗濯はまとめて週に1度

〇ポイントをためる・使う など

 

外食もほとんどしないし、食材も同じものを買います。

 

野菜は新鮮なもので旬なもの、お買い得なものをその時々で買います。

 

また、手数料も気にするようになりました。(例えばATM、振込など)

 

たかが1円であっても、「不要」と思ったことには払わない努力をしてます。

 

ガッチガチなルールではなく、その時の状況などを踏まえて、臨機応変に対応してますが、自分自身にのみ影響するような場合は、なるべく節約を心がけています。

 

その代わり、自分がえらく気に入り長く愛用したい品物は、少々高額でも大人買いします。

 

身の回り品は数を限定し、自分が本当に愛用できそうなものだけです。

 

こんなわたしは、おそらく、実家の母や兄よりも、日常の生活費というか食費や消耗品への支払いはかなり少ないのではと推測します。

 

お金がないなら、ないなりに、もっとできることがたくさんあるのにと、思っています。

 

母には生活費のためのお金ではなく、お友達と遊びに行ったりするお小遣いとしてあげたい、と勝手ながら思ってしまう自分がいます。

 

兄には兄の生き方がある

 

自分の生活スタイルと、あまりにギャップがある母と兄の生活に、知らぬ間にある種の違和感や不満を抱えていたわたしでしたが、母と電話で話すことで、いかに自分が自分の価値観を押し付けて、彼らに接していたのか、気づかされました。

 

わたしの兄は20代の頃に重い心の病を患い、かなり長い間、社会復帰ができずにいました。

 

今でもお薬飲んでます。

 

今は、アルバイトではありますが、毎日まじめに働きに出かけ、短い時間ではあるものの一生懸命働いて、お仕事して、少ない額であっても、収入を得ることができるようになりました。

 

また、音楽が好きで、特にギターが大好きで、最近は自分で積極的に役所等に出かけ、ギター教室の講師の仕事を見つけてきて、今では、生徒さんも増えて、個人レッスンも始めて、お年寄りの方々に向けたボランティアの慰問ライブなど計画したりしてます。

 

自分の好きなことで、少なからずお金を稼いで、まわりに喜んでもらえて、自分も楽しいことが見つけられた兄を心から誇らしく思います。

 

よくここまで立ち直ったなとも、妹ながら思います。

 

最近、とても元気そうで、順調に生きているため、病気だったことを忘れてしまってましたが、母曰く、完治したわけではないといいます。

 

兄はたばこを吸い、お酒も飲みますが、おとなしく楽しんでいるだけで、度が過ぎることはしませんし、きっと、兄なりに気を使いながら、嗜んでいるのだと思います。

 

また、母が作るごはんに一度も文句を言ったこともなく、「うまい、うまい」と言って食べてくれて、日々、母の話相手にもなってくれて、見守ってくれているということも忘れてはならない事実です。

 

兄は掃除も苦手だし、自分勝手なところもあるし、鈍感なところもありますが、それでも、兄は、妹のわたしからみても「心(気持ち)がいい人」であり、優しい人で、そしてとても繊細な人です。

 

一度は壊れた心と体を立て直し、なんとか自分の足で立てるまでになった兄。

 

わたしがわかるはずもない苦悩を乗り越えて、きっと、今があるのだろうと思います。

 

母曰く、「お母さんは、お兄ちゃんの一番ひどい時期をみてきたからね、今こうやって、ちゃんと働きに行って、社会活動ができていること自体が奇跡であって、ありがたいことなのよ。」と。

 

また、「一時ひどい時は、いつ、どこかで、足を踏み外してしまって、壊れてしまうのではないかと、とにかく心配でならなかったのよ。だから、今、平穏に暮らせていること自体がありがたいことなのよ。」と、教えてくれました。

 

わたしはずっと実家を離れて生きてきたから、本当の意味で、母と兄のこれまでの人生や生活などを理解していなかったし、きっと、今もわかっていないのだと思います。

 

母との会話で気付かされたこと

 

母と電話で話をしていた時に、わたしは、母と兄の生活のたった一幕だけをみて、ものごとを判断し、自分の価値観を押し付けようとしていたことに気がつきました。

 

まずはじめに、母と兄の生活習慣や価値観を、「お金」と絡めて否定したり、矯正したりしようとすること自体、傲りであったと反省しました。

 

わたしはわたしの生活スタイルで、自分が好きなように過ごしているけど、そのスタイルが他の誰かが望むこととは限らないし、また、正しいとも限らない。

 

母には母の生活スタイルがあって、やりたいこと、欲しいこと、心地よいことがあり、兄にももちろんあるわけで、それを仕送りすることを盾に、わたしのスタイルを押し付けるというのは、傲りであると反省しました。

 

わたしは母と話をする前に、「もっと節約できることがあるはず。」といったようなメールを兄に送っていて、母はそのことを兄から聞かされていました。

 

「お兄ちゃん、なんだか切ないって、言ってたよ。本人も、お金を家に入れられていないこと、気にしているのだし、あんまり、あれこれ言わないでやって欲しい。」と、母に頼まれました。

 

わたしは、母や兄にとって良かれと思って節約術など伝えてましたが、それは大きなおせっかいであって、結果として、二人の心を傷つけてしまったのではないかと思っています。

 

母や兄には、彼らなりに、築き上げてきた生活、人生があるということを、わたしは完全に置き去りにしてしまって、自分の物差しで彼らと話をしようとしていました。

 

激しく責めたつもりはないにしろ、嫌みとなってしまっただろうし、決して気持ちの良いアプローチではなかったと思います。

 

なので、母と兄に謝りました。

 

その後、母から、「少ない家族なのだから、楽しく、仲良くいこうね。残り少ない人生、平穏に暮らしたいです。」とメッセージが届きました。

 

母にとっては、経済的にはちょっと厳しくても、今の暮らしは平穏であり、兄が元気に働いて、楽しそうにしている姿を見られることが安堵につながり、何よりの幸せなんだなと、気づきました。

 

わたしに、母の平穏な生活を壊すことなどできないです。

 

だから、母と兄の生活は、彼らに任せ、わたしは、わたしにできること(仕送り)をして、そっと見守ることが一番であると思っています。

 

何より、これ以上、母に心配をかけてはいけないし、毎日ハッピーで時間を過ごして欲しいから、わたしはあれこれ言わずに、帰省した際には、一緒に楽しくご飯を食べたり、彼らの話に耳を傾けることをしたいと思っています。

 

尊重することの大切さと難しさ

 

この度、母と兄への「仕送り」に係る一連の出来事を通じて、自分自身の傲りに気付くことができたことは大きな学びでした。

 

他人を尊重することがいかに大事で、いかに難しいかということに、改めて痛感させられました。

 

Respect:尊重すること

 

マネジメントには必要不可欠な能力であり、また、今のわたしには、尊重する気持ちや能力が欠けていると、気づけて良かったと思ってます。

 

きっと、ずっと前から、自分でも気がついていたことですが、今回の母との会話において、本当の意味で、心から「あ、わたし、尊重する気持ち、まったく足りてないな」と気付かされたのです。

 

会社で働いていると、いろんな人がいて、日々、いろんな感情に振り回されます。

 

人間は、理屈よりも感情で生きる生物とはよくいったもので、わたしはその最たるものでして、とにかく感情がアップ&ダウンが激しいです。

 

そのことで自分も疲れますが、周りにいる人は、きっと、もっと疲れることでしょう。

 

また、今日は、運動がてら中田Youtube大学で「自尊心」について学びました。

 

わたしのちょっとした一言が、誰かの自尊心を傷つけているかもしれないと、思いました。

 

たぶん、多々、あります。

 

わたしをよく知る友人からも、「自分本位すぎる」と、言われたことがあります。

 

きっと、わたしに足りないところは、そういうところだろうし、きっと、成長できるとすれば、そういうところなのだろうと思っています。

 

今回の気づきを、仕事でも活かしていきたいなと感じてます。

 

気づきをくれた母に、ありがとうと言いたい!

 

そして、今を元気に生きている兄に、陰ながら「いいね、その調子♬」と応援してあげたい。

 

明日も良い日でありますように。

 

by ちびまる