空飛ぶちびまる (自由気ままに)

おひとり様女子のエッセイ

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亡き父を偲ぶ。お酒とコーヒーを供えて、新盆にて父を迎え入れる。

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亡き父の初盆を迎える

 

昨年の9月に父が亡くなり、早いものでもうすぐ1年。

 

これまで、あまり「お盆」ということを意識せずに生きてきたけれど、母より「あなたの分まで、お父さんのお墓参りしてきたからね」とメッセージを頂き、改めて、お盆という日本の風習の意味を考えてみました。

 

初盆(にいぼん)とは、故人が亡くなられて初めてのお盆(ご自宅に帰ってこられる期間)のこと。

 

父が亡くなってからすぐに、お葬式などの段取りで、時間は慌ただしく過ぎてゆき、あれよあれよという間に、あっという間に1年が過ぎ去ろうとしています。

 

父が亡くなったと聞いた時も、実際に父の亡骸に触れた時も、父の肉体が焼かれお骨を拾った時も、わたしは、どの時においても、なんだか実感がなく、今でも、それほど寂しいとか、悲しいとか、そういった感情はやってきません。

 

さすがに、肉体が焼かれてしまう出棺の時は、名残惜しい気持ちにはなりましたが、不思議と、「父は父」という気持ちがあり、会える会えないということよりも、父と一緒に過ごした日々をほっこり愛おしく思うぐらいで、どちらかというと、ちょっぴり笑ってしまう一幕などを思い出しては、ほっこりするような感じです。

 

故人をしのぶということを、今まであまり感情レベルで経験したことがなかったのですが、こんなわたしでも、何か父を思い、そして、何か喜んでもらえそうなことをしたいなという心境になりました。

 

何より、父というより、母が喜ぶかなぁという気持ちのほうが大きく働き、わたしの新居の片隅にて、父を偲ぶスペースを設け、新盆にて父を迎え入れる準備をしました。

 

わたしなりのおもてなし

 

わたしの父は、40代前半で大病に倒れ、それ以来お酒を一滴も飲むことができなくなりました。

 

わたしの父は若い頃、結構シャレてて、お酒を嗜むことも好きだったと母から聞いていて、働き盛りの40代に、好きだったことを奪われ、病と闘う人生は、辛かっただろうなと思います。

 

わたしのこだわりの強さは父譲りかと思います。

 

飲みたかっただろうお酒を注ぎ、ちょっと風変わりな藤の花のお線香をたき、チェコで買ったボヘミアングラスの一輪挿しにキク科の花を生け、父を我が新居へ招き入れました。

 

お酒は、わたしがよく飲む地酒です。

 

器もこだわりました。

 

父の写真はブログ写真には掲載してませんが、父の写真の後ろには桜の絵を飾り、季節は違えど、桜の木の下で美味しい日本酒でも飲んで欲しいという気持ちを込めて、お香を焚き、父に話かけました。

 

 

次の日は、酒に変わりコーヒーを。

 

父は、コーヒーも大好きで、よく飲んでいました。

 

こだわりのある器で、豆から挽いたコーヒーを飲むなど、そういったことが好きな父でした。

 

大病してからは、視力を失ったのでめっきり缶コーヒーを飲んでましたが、時々、そうやって煎ったコーヒーをいれてあげると喜んで飲んでましたので、コーヒーも入れました。

 

「お父さん、コーヒー飲んでねぇー」などと、なんてない言葉を頭の中でつぶやき、父に手を合わせるというのは、なんだかほっこりしました。

 

肉体はもうなくなっちゃいましたけど、思い出というのは、結構色濃く残るものだなぁと思います。

 

母に感謝

 

母はこれといってなんてことない田舎のおばちゃんですが、わたしにとっては、尊敬すべき母です。

 

わたしにはない周囲への気遣いというか、ちゃんとしてます。

 

親戚がいつ来ても良いように、暑い中お墓をお掃除し、花を生け、来客に備えて対応してくれる。

 

本当ならば、わたしが帰省して対応すべきことなのだろうけれど。。。

 

ありがたいです。

 

わたしの母は、こういった律儀なところもありながら、父が初めてあの世から帰ってくる新盆の期間中に、ちゃっかり、しっかり遊びにも出かけるという笑

 

わたしの地元に、工藤静香がやってきてコンサートをしたらしく、なんと、ひとりで行ってきたという。。。

 

特別、工藤静香が好きというわけでもないが、東京出身の母は、意外と(いや結構)ミーハー。

 

華やかな場所が好きなのです。

 

お友達を誘わず、ひとりで行ったというのだから、そのあたり、わたしは母からのDNAを色濃く引き継いだのかなあと思ってしまうところ。

 

ひとりでも楽しめるところが、我が母、逞しいなと思った次第です。

 

わたしが安心して、好きなように生きられているのも、母が元気でいてくれるから。

 

毎週土曜日に決まった時間に電話をし、なんてことない話をするのですが、いつも元気な母の声を聞き、逞しく生きている様子を伺うと、ほんと安心します。

 

お盆に帰省はできなかったですが、年末には必ず帰るので、その時に、またたくさん、何気ない普通の時間を一緒に過ごしたいなと思います。

 

みなさまも、どうぞ大切な人との時間を大切に^^

 

have a nice day

 

by ちびまる