最近、旅もの、食べもの、リラックスした内容のブログばかりなので、たまにはまじめに仕事の話しも書こうと思います。
グローバル化とは?
わたしは、MBAグローバリゼーション専攻にてグローバルビジネスについて学びました。
わたしが主に研究したテーマは、日系企業のグローバル化です。
それも、わたしが務める日系企業(中小企業)のグローバル展開を主な研究テーマとして学びました。
グローバル人材を育てよう!など、何かと「グローバル化」が叫ばれる世の中ですが、グローバル化って何?と、あらためて概念を考えてみると、結構ざっくり(漠然)とした曖昧な言葉だなぁと思うことがあります。
グローバルを直訳すると地球規模のという意味ですが、それでは、地球規模にてビジネス展開!海外展開!といっても、地球のどこの地域をターゲットとして、どんなアプローチをするのかを具体的な戦略・戦術に落とし込めなければ良いのかを見つけられなければ、どんなに素晴らしい大それた戦略や絵に描いた餅でしかありません。
大学院で100件以上の実在する企業(主に日系企業)のケーススタディに取組み、決算短信、有価証券報告書、決算説明会資料など数多く見てきましたが、ざっくり大陸レベルでの話ししか見えず、現場レベルの具体的な戦術までは見えてこないものです。
正直なところ、MBAを取ったところで、この漠然とした「グローバル化」という言葉に太刀打ちできませんし、大それたことも語れませんし、できません。
わたしが思うに、日本国内で叫ばれる「グローバル化」の意味は、簡単にまとめてしまうと、日系企業が日本以外の諸外国のビジネス市場において
〇 プレゼンス(存在感)を強める
〇 製品・サービスをたくさん使ってもらう、買ってもらう
〇 誰でも知ってるブランドに育てる
ということなんだと思います。
分かりやすいところで、日系企業でグローバル化に成功している企業と言えば、トヨタや日産あたりでしょうか。
日本では知名度が高いユニクロも海外展開を積極的に進めており、また有名なテニスプレイをスポンサーもしていますし、誰でも知っているブランドに育っているのかなと思っていましたが、わたしが出会う諸外国の人々の間で、ユニクロを知っていたのはアジア(シンガポール)の人だけでした。
一般商材であっても、地球規模で良く知られている日系企業(ブランド)は、それほど多くはないという印象です。
グローバル人材へのニーズと現実
日系企業のグローバル化には、諸外国の企業の人たちとコミュニケーションがしっかりとれて、仕事ができるかつ英語が堪能な人材が必要です。
大手企業の場合は、海外事業部もしくは国際事業部などのグローバル化に対応する組織体を作り、英語はもちろんのこと多言語対応な人材を揃えたり、海外拠点を設けて現地で優秀な人材を採用したり、あるいは、他国の企業を買収し自社の傘下にいれることで、グローバル化の加速もできるでしょう。
大手企業の場合は資金力がある場合が多いし、お金の使い方も大胆にできると思いますが、中小企業の場合はそうはいきません。
まずビジネス現場で英語でコミュニケーションがとれる人材確保でさえ、難しいのではないかと思います。
ヨーロッパ大陸の諸外国に比べると、島国である日本は、他国からの人の出入りが少ないこともあり、日本語以外の言語でコミュニケーションをとる必要性に迫られることは稀です。
語学学校に通うも、日常的に英語を使って会話をする機会も少ない=語学が身につかない現実もあり、グローバルに活躍できる人材確保はけっこう難儀なことだと思います。
海外事業開拓で求められる人材と言えば、
〇ビジネスレベルの英語力
〇業界内の経験と知識が豊富
〇コミュニケーション能力が高い
〇ビジネスセンスがある
〇問題解決能力が高い
などが挙げられます。
ビジネス英語ができる人材が少ない中、上記5つのスキルを兼ね備えている人材確保となると、たいてい上記を兼ね備えた人材というのは高給取りなので、ますます狭き門となります。
こういった背景を考えると、日系の中小企業においては、大手日系企業のように大胆に資金を投じることも難しく、大胆なグローバル展開は困難、海外進出の検討自体に二の足を踏む状態なのではないかなと思います。
わたしはグローバル人材?
わたしは、現在社員50名ぐらいの比較的小さな日系企業にお世話になっており、海外事業担当者として働いています。
わたしはひょんなことから、現在お世話になっている会社に南半球のオーストラリア、シドニーに滞在中に拾われ、あれよあれよという間に本社勤務を命じられ、オーストラリアの永住権を捨て、日本に完全帰国しました。
わたしは、多民族国家オーストラリアで長年過ごしてきたことから、英語力を通じたコミュニケーション能力と問題解決能力だけは備わっていますが、ひとつの業界でキャリアを積んできたわけではないので、上記に掲げたグローバル人材に必要な要素全部が備わっているわけではありません。
グローバル人材と言うには不完全なわたしではありますが、必要としてくれる日系企業があり、その企業の商材が地球規模にて、できる限りたくさんの人々に必要とされ、愛される商材に育てるために、市場開拓に奮闘中です。
わたしは大手企業で活躍しているような、いわゆる一つの分野の専門性に長けているエリート的なグローバル人材ではなく、必要に応じてマルチタスクを何でもこなしながら、商談に必要な要素だけを学ぶ現場のたたき上げで、自分の力よりも他力(外のリソース)を最大限に活用し事業開拓に臨む、雑草的な発展途上のグローバル人材です。
現在、海外に出向いて諸外国の外国企業との商談や折衝、市場調査や販売戦略の立案・実行など、体外的に動けるのは社内でわたしひとりだけです。
中小企業での海外事業担当者(それもひとり)であるわたしは、ある意味何でも屋さんです。
ルーチンのオペレーションの仕事は担当しませんが、事業部を超えて、外国企業が絡むことで、会社に必要なことや問題解決など、基本的にメンドクサイ事柄もひっくるめて全部なんでも対応します。
Linkedin経由でアプローチしてくるリクルーターと話をする限りでは、大手グローバル外資系企業において求められるグローバル人材像は、わたしが持ち合わせている能力とは程遠いところにあります。
大手グローバル企業が求めるグローバル人材は、1つの分野の専門家&語学力&マネジメント能力が高い人材であり、ポジションも細分化されています。
こういった専門性が高くグローバルに活躍できる人材は基本的に高給取りです。
一方でわたしが勤務するザ・ジャパン的な社風の日系中小企業の場合は、どんなポジションにおいても、分野を超えてマルチタスクをこなす能力が求められることが多いかと思います。
わたしの場合は専門性は低いが、現場に入ればそれなりに対応可というマルチタスクに向いている人材の場合は、おそらく、いろんな意味でリーズナブルだと思います。
穏やかな対価のかわりに自由に仕事をさせて頂いており、のびのびとストレスフリーで生きられているので、おかげさまでハッピーライフを満喫させて頂いております。
わたしなりのグローバリゼーション
わたしは、極めて地味なグローバル化に向けた事業開拓の活動を行い、コツコツと3歩進んで2歩下がるぐらいの気持ちで前進中です。
わたし自身の人的能力(時間も頭脳的キャパも含め)は限られるので、なんとかして、外部のリソースを最大限活用してグローバル展開することを日々考えております。
わたしに1人の力なんて、たかが知れてますし、大した頭脳も、経験も、知識も持ち合わせていません。
わたしのかわりに、市場を開拓に手を貸してくれる優秀な人材を社外で見つけて、人的なネットワークを通じてグローバル化をじわじわと、推し進めていきたいなと考えています。
そういった人材や企業と出会うために、わたしは、どこでも、いつでも海外に出かけていき、人と会って、たくさん話をして、情報を集めて、「この人はいいかも!」と思える人との信頼関係を構築していくことに注力しています。
良い協力者との出会いを求めて、あちこち外に行くので、とにかく自分の足で歩きますので、海外出張にいきますと、平均15,000 ~20,000歩ぐらい歩きます。
こんなに歩くのに、いっこうに痩せないのはなぜ?と思いつつ^^;
ビジネス上での良き人、そして良き企業との出会いは、人生を豊かにしてくれます。
わたしはプライベートでの人的ネットワーク構築は極めて下手くそなのですが、ビジネス上であれば、目的も明確であり、また、ビジネス好きな人と話しをするのは、とにかく楽しいのです。
さまざまな国の優秀な人の経験、知恵、ネットワーク、持っているものすべてをお借りして、新しいことに取組み、海外市場においてビジネス展開していくというのは、とても楽しく、またエキサイティングな活動です。
現地のことは、現地の人に聞かないとわからないことだらけです。
現地の人しか知らない大切な一次情報を引き出し、その情報を使って、まっさらなキャンパスに協力者たちと一緒に絵を描いていき、その視覚化したことを、協力者たちと一緒に、具体的な行動に落とし込んでいく、それがわたしの仕事であり、わたしの海外事業担当者としてのグローバリゼーションの進め方です。
上記をすすめていくのに必要になってくるのは、
〇会話力
〇質問力
〇創造力
〇正直さ
〇協調性
〇主体性
〇柔軟性
〇問題解決能力
〇推進力
〇明るさ、ユーモア
だと思います。
まだまだ発展途上で未熟なわたしですが、まずは楽しく仕事をする、それが一番です。
いつの日か、グローバル化に成功した!と言える日がきますように。
byちびまる