コロナ禍の国際学会参加
2022年11月。
US代理店営業と共に、ミネソタからフロリダ州に飛び、米国腎臓病学会 (ASN 2022) に参加しました。
コロナ禍にて10月まで、海外出張に行けるかどうか、微妙なところでしたが、日本政府が水際規制を緩和し、72時間前PCR検査が不要になったため、渡航を決めました。
いつもは、1年ぐらい前に学会展示の予定を決め、段取りし、時期になったらブース設営にて渡米し、すべての学会展示段取りは、現地代理店にお任せしていたのですが、今回は、学会展示という訳にはいかず、学会参加登録にて参加しました。
学会参加登録のハードル
この度、はじめて、Attendee(参加者)という枠組みにて、参加登録申し込みをしたわけなのですが、思いのほか、いろいろ大変でした。
何が大変って、わたしが研究者でもなく、医師でもなく、PhDなど大学院生でもなく、参加申し込みにあたって、CME credit purposeで "Update your Designation"という必須登録項目があり、完全スタック・・・↓下記です。
そもそも、CME creditって何?というとこからなのですが、、、どうやら、Continuing Medical Educationの略で、医師など医療従事者が生涯教育を受け続ける、直訳すると生涯医学教育クレジットらしいです。
そこで、困ってしまったのが、わたしの立ち位置。。。
基本、医療従事者ではないし、研究者でもないので、困りました。
一応、MBAという選択肢があったので、そのMBAの意味が、Master of BusinessAdministration(経営学修士)で合っているのならば、これでいいや(いや、これしかない)と、✔を入れ参加登録しました。(一応、MBAホルダーなので)
考えてみれば、医学系の国際学会というのは、その道の専門家が集まる会であるため、医療従事者やその道の専門家でなければ、普通は参加しないでしょうし、そのような方々をお客様としている企業勤務者は、通常は学会展示者として参加するわけで、
今回のように、学者でも研究者でもないわたしが、学会展示をせずに学会参加というのも無理があるのでしょうね。。。。
めちゃくちゃ高い参加費
また、参加費用は、その道の学生なら無料、ASNメンバーならメンバー割引など、金額もいろいろありまして、わたしの場合は、「学生でーす」と、嘘をつくわけにもいかないので、Full-Paymentの一番高いオプションで申し込みをしました。
参加費用は、1,025 USD (in person and virtualどちらも参加できる)
円安の影響にて、1,025 USD x 152 円(出発時の羽田空港の換算レート) = 155,800円!
めちゃくちゃ高い!!!
参加できるのは、実質2.5日なので、とにかく、その費用に見合う価値ある情報収集をせねばと、大きなプレッシャーを胸に参加しました。
学会参加の事前登録
コロナ禍において、国際学会参加の手続きもDXが進んでおり、すべて事前にデジタル認証が与えられ、デジタル認証を会場で提示することで、バーコードを読み込み、入場バッジが印刷されるという流れでした。
ワクチン証明書事前承認
事前に、ワクチン証明書を指定のAPPから学会主催者に提出し、下記のような承認をもらわないと、学会参加ができないというシステムでした。
事前登録して、ワクチン証明書を提出し、2日後には上記のVerifiedという連絡が来ました。
スマホに落して、当日係員に掲示し、入場バッジがもらえるという仕組みです。
この手続きをしていかず、当日長蛇の列に並んでも、入場できないという人が続出してました。
DXが進んでても大混乱!
学会スタート日の前日、ミネアポリスからオーランドに23時頃到着し、ホテルチェックイン24時、就寝は25時とハードなスケジュールでして、8時半ホテルロビー集合で、シャトルバスに乗り、いざ学会会場に到着してみると、恐ろしく長蛇の列!!!
学会会場に入場するには、事前登録証を見せ、(首からかける)入場バッジを入手しなければならず、その列が、とてつもなく長~~~~~~~いのです凹💦
列に並ぼうと歩いても、歩いても、その最後尾は全く見えず・・・。
おそらく100m以上(300mぐらい?)あったと思います。
途中で最後尾を見つけるのを諦め、近場のソファーで、ひとまずメールチェックなど仕事をし時間つぶし。
1時間が経過したころ、US代理店営業の連れが、「そろそろ並んでみるね、ここで待ってて」とのことで、彼女が並んでいる間、わたしはソファーで仕事をサクサクすすめ、途中で、並ぶの交代などしながら、時間を使いました。
結局、2時間弱も入場バッジをゲットするのに時間を取られ、予定していたポスターセッションなどは行けずという状態でした。
ソファーで仕事をしている間、いろんな国々から来られた先生方が、「アンビリーバボ―!わたし、10時からポスターセッションなんだけどー!、これじゃ入れないわ!!怒」
そう、ポスターセッションを10時から予定していた先生方も、わたしたち同様に、入場バッジをゲットするために、この長蛇の列に並ばなければならず、絶対に間に合わないという状態に。。。
途中、学会係員が、「ポスター発表ある方!いませんか~?先に通します!」という叫び声が聞こえ、「わたしよ、わたし!!!!」と叫びながら去っていきました。
こんな感じで、まぁ、大混乱、大混雑、ごった返してました。
学会展示よりも効率が良い学会参加
この度、はじめて、学会展示ではなく、学会参加という形で、国際学会に参加しましたが、思いのほか、時間効率が良く、また、費用対効果が高いということがわかりました。
小さいスペースの展示者は、巨大な学会会場の中で、一番端っこで、ほとんど人がこないような場所だったりします。
学会展示となると、一番小さなスペースでさえ、5,000USD (約70万)です。
米国の国際学会の場合、展示ブースのスキームパッケージなどはなく、床スペースだけで、あとは自前で準備し、追加で電気代や、家具などを注文したりします。
代理店があるミネアポリスから、オーランドまで展示ブースセットを送るとなると、輸送費だけで、少なくとも2,500USD (約35万円)かかり、なんだかんだ入れと、8,000 USD ~ 10,000 USD(約110~140万円)ほどかかります。
それに加え、事前に設営のため前後に1泊ずつ(合計2泊)必要になりますし、また、ブースを設営するということは、ブースの装飾(ポスターなど)も考えないといけないし、何より、会期中、誰かしらブースに待機してないければなりません。
一番のコストは時間。
ひとっこ一人こない時間帯も多く、ほとんどの小さなブースの人たちは、スマホを見ながら、他の仕事していたり、遊んでたりします。
要するに、暇であり、ムダです。
そう考えると、参加費1,025 USDというのは、参加費としては決して安くはない費用ですが、2.5日間、朝から晩までポスターセッションや、展示ブース、そしてセッションに足を運ぶことができ、たくさんの先生方と話ができ、情報収集ができます。
また、会期中、先生方はとにかく忙しく、特定の時間にアポイントを取るのは至難の業です。
よって、今回は、コロンビア大学や、インディアナ大学などの研究者と、彼らの都合が良さそうな時間帯に、What'sAPPなどで連絡をもらい、「じゃぁ、今から会いましょう」と、学会会場内のカフェなどでサクッと会って、商談できました。
展示者として参加するのではなく、学会参加者(先生方と同じ形式)で参加することは、フットワークの軽さ、そして、商談時間などの柔軟性が一番のメリットでした。
学会展示において、プレゼンスを高められる、新しい潜在顧客との出会いなど、メリットもありますが、わたしの会社は大手製薬のようにはいかず、人もいないし、お金もないので、参加型が一番良いかもと、今になって感じてます。
よって、来年の学会においける営業マーケティング戦略としては、学会展示ではなく、学会参加型で、投資するなら、広告や先生方のセッションへのスポンサーなどが良いと思っています。
コストも抑えられて、たくさんの人とも話せる参加型。
新たな学びがありました。
一日中歩き回って(走り回って)、たくさん、話をして、情報を吸収できたことは、有意義な時間でもあり、また、疲労困憊でもありました💦
フロリダっぽいもの一切見れず・・・
今回は、深夜にオーランド到着、朝から晩まで学会参加で、帰りの飛行機が時間変更で急遽前倒しでミネアポリスに帰ることになり、フロリダらしきものは、一切何も見ることなく、感じることもなく、帰ってみました^^;
いつもなら、学会展示であれば、設営のために1日早めに入るため、少々遊ぶ時間もあるのですが、今回は一切なく、強行スケジュールでした。
唯一、仕事が終わった後に、US代理店営業の連れと共に、宿泊先のホテルのバーで1杯飲みながら、おつまみつまんで、おしゃべりするというひと時を楽しみました。
US代理店営業の連れは、代理店の中でも一番親しく、ビジネスを離れても友達という域に入ってきているので、リラックスしながら、なんだかんだと、おしゃべりできたのは、特別なひと時でした。
いつか、オーランドに戻ってきた際には、フロリダらしきところ、感じてみたい。
それでは、みなさま、have a nice day!
by ちびまる