画像:photoAC熊澤充さん
シドニーでの生活が始まる1年が過ぎ、チャンスの神様がまいおりて、めでたくまともな職場、それも銀行という、とてもお堅い組織で働くことになったわたし。
わたしが配属になったのは企画課で、企画課の仕事は、例えば、災害対策プランや経営企画的なお仕事があり、わたしは、課長のすぐ下にて、『雑用係としてお仕事』を始めました。
本来、雇われた理由『2000年問題対応プロジェクト』のお手伝い、、、のはずだったのだが、わたしは、英語もパソコンもまともにできなかったので、ほんとうに『猫の手』ぐらいにしか役に立たず、コピー取り、社内メモの配布、お茶出し、そして毎朝、『課長のコーヒーとレーズントーストを、近くのカフェで買ってくる』ことぐらいでした。
当時の私にとっては、カフェで、コーヒーとレーズントーストを『注文するだけで一苦労!』。
ドキドキしっぱなしでした。
コーヒーといっても、いろんなバリエーションがあって、『完全にお手上げ状態』。
カプチーノからはじまり、フラットホワイト、カフェラテ、マッキアート、エスプレッソ、ダブルエスプレッソ、ソイラテ、チャイラテ、ディカフェ、ドリップコーヒー、アメリカン、・・・
ミルク一つにしても、ソイミルク (soy milk)、フルミルク (full milk)、ローファットミルク (low-fat milk)など、いろいろ選べてしまう。
お客さんにとって、本来、とても喜ばしいバリエーションなのだが、わたしにとっては、とても困ってしまうサービス。
特に、お客さんがわんさかいて、私の前にも後ろにもお客さんがいる時は、ほんとに焦ります。
朝の忙しい時に、もたもたしていると、後ろからも前から(店の人)からも、『はやくして!』という無言のプレシャーが押し寄せてきます。
仮に、『Can I have a one caffè latte please? = カフェラテをひとつください』と言った場合、
『Which size? Tall or regular? = どのサイズ? 大きいの?それとも 普通の?』、
『Which milk do you want? = どのミルクで?』、
など、いろいろと質問が戻ってきてしまいます。
『コーヒー&レーズントースト プリーズ』といえば、買えるものと思っていたわたしは、コーヒーの注文でまずつまずきました。
結局、どう買ってよいかわからず、上司に助けてもらうという始末。
やっと、上司の欲しいコーヒーのパターンもわかってきて、注文の時の会話にも慣れて、なんとか、上司の朝ごはんのレーズントースト(時には、チーズ&トマトのトーストサンドイッチ)と、カフェラッテもしくはカプチーノが買えるようになりました。
仕事というより、なんだろう、お給料を頂きながら、本物の英会話レッスンをさせてもらっていたような状態でした。
仕事現場に限らず、シドニーでの、わたしの英語習得 最初の一歩は、『まずはお買い物から』。
仕事が終わり、毎晩夕食のお買い物をするのも大変でした。
特に、『肉やと魚やの難易度は高かった』。
量り売りなので、中途半端な単位の数字が出てこず、肉でも魚でも『常にキロ単位で購入』。
『1 kilo please (1キロください), もしくは half kilo please(ハーフキロください) 』といった感じで。
それを食するのは私と彼の二人だけ。
『1年で5キロも増量』する結果に。。。
byちびまる