健康診断の習慣
わたしが、正式雇用で働きはじめたのが19歳。
26歳から11年間、オーストラリアへ移住。
日本で働いた19歳~26歳の間、正規雇用で会社勤務していたけれど、健康診断を年に1度受けていた記憶はありません。
若かったせいか、健康診断を受ける必要性すら考えることもありませんでした。
おそらく、わたしがオーストラリアに旅立つ前に、健康診断を受けた経験はないです。
オーストラリアに移住した11年間も、健康診断を受けることは1度もありませんでした。
わたしが記憶している限りでは、日本から駐在できていた駐在員が会社のお金で年に一度人間ドックをしていた、ということぐらいです。
わたしの記憶では、現地人が企業からお金を負担してもらって、健康診断を受けていた人はいませんでした。
私自身も、経験ありません。
30歳を過ぎた頃から『そろそろ子宮頸がん検診だけはやっておいたほうがいいよ』と友人に勧められて、自腹で1回受けたぐらいです。
2009年に完全帰国し、現在の企業にお世話になるようになってから、『企業に勤める者は、年に一度健康診断を受ける』という日本の習慣を知りました。
それも、ほぼ強制的に検診を受けるといのはかなりの衝撃でした^^;
会社の総務らしき担当者から、当然のごとく、『健診いつ受けますか』と確認の連絡が入り、それも、まるで必須項目であるかのように、胃がん健診が入っていて、
〇胃カメラ(口から)
〇胃カメラ(鼻から)
〇バリウム
の3択の記入欄があらかじめ準備されている健康診断回覧表がまわってきて、
〇どの病院で?
〇いつ?
〇オプション検診は?(乳がん、子宮頸がんなど)
も記入し会社へ提出するという仕組みに、非常に驚いたことを覚えています。
ドイツ、オランダ、フランス、USA、シンガポールなどの友人に、彼らのお国の健診事情を聞いてみても、
『健診の習慣はないよ、具合が悪くなってはじめて検査を受けるぐらい』
とのことで、年に一度の健診習慣というのは、少なくともわたしのまわりの各国のメイトに聞く限り、なさそうです。
彼らから共通して聞く言葉が、
『癌とかあっても、知りたくない』
というのです。
日本人のように、早期に発見すれば、早期に完治できて、長生きもできる、ということよりも、
下手に癌や、心配の種になるようなものが見つかってしまったら、毎日が不安で一杯になり不幸になる=
目の前の生活のクオリティが下がることが嫌、と考える価値観が主という印象です。
必ずしも、海外諸国の人々が予防医学へ関心がないとは言わないですが、少なくとも、わたしのまわりの外国人に聞く限りでは、健康診断への意識は高くありません。
彼らに共通しているのは、ライフというのは今を大事に楽しく笑って、幸せに生きる、それが何より大事ということ。
仮に後々病気になったとしても、その時対処すればよい、ということなんだと思います。
これは、『血液型』を知る・知らない、の違いと似てて、血液型で性格の分類をしている日本人同士の会話では、
『あなたの血液型は何?、えっ!?Bなのー、なんかわかるー』
みたいない会話が成り立ちますが、外国人とは成り立ちません。
だって、ほとんどの外国人が、自分の血液型なんて知らないですから笑
なぜ日本人が血液型を子供の頃に調べるかというと、稀な血液型である場合、もしくは大規模集団にて病気や事故にあっって輸血が必要となった場合、迅速な対応ができるから、というのが私の理解ですが、外国人にそれを伝えると、
『どのみち、その事態が起きた時に血液型の確認をするでしょ』というのです。
おそらくですが、日本人特有の、先回り行動、予防医学(早めに見つけて対処)、効率、合理性、きめ細やかな性格で心配や問題を事前に対処する意識の高さなど、日本という国独特の国民性によって、今の日本の健診事情というものが成り立っているのかなとも思います。
問題があるなら、早いとこ、やっつけちゃおう!というのが優先して考えられるということでしょうか。
ちなみに、わたしの家族は、俗に言う健康診断というものを受けた経験がありません。
母と父は、60を過ぎたころから、血圧、血糖、心電図、ぐらいはかかりつけの病院で月に1回ぐらいみてもらうぐらいです。
家族の中で定期健診を受けるのは会社勤めしているわたしだけ^^;
健康診断はサービス業
競争が激しい業界なのでしょうか。
健康診断管理センターの職員のホスピタリティの高さ、チームとして迅速にかつ正確に仕事をするための工夫、そしてそのスキルの高さには、いつも感心させられます。
海外で生活した経験者であれば、誰もが感じる日本人のホスピタリティと、仕事に対する意識の高さ。
それは、きっと、自分がちゃんとしなければ、『周りに(人さまに)迷惑をかけてしまう、それはいけないこと』という集団主義的思考が幼少時代から植え付けられているからだと思います。
外国の人がそういう教育をされていないとは言いませんが、個人主義社会と集団主義社会のどちらで育ってきたかで、仕事への姿勢や考え方が大きく変わるということは、わたしの周りの外国人を見ていても、思うことがあります。
仕事への意識、特にサービス業においては、日本人はユニークというか、プロフェッショナルな表の顔を保ちますが、外国においては、仕事中であっても、それがサービス業であっても、個々人の真の顔、感情が先に出ます。
社会としての自分よりも、個人としての自分を大事にします。
わたしも、どちらかというと、欧米よりというか、個人主義色が強いので、個人としての自分を大事にする方なので、わたしはサービス業においては、日本人が求めるプロフェッショナルな対応は難しいかもしれません。
ちょっと脱線しましたが、日本人として日本人のホスピタリティの高さを知っている自分、
そして日本人として、自分はこんなに高いホスピタリティを提供できないであろうと思う自分がいまして、
毎回、健診管理センターの職員の素晴らしいホスピタリティに接するとイチイチ感動するのです。
わたしがお世話になっている健診管理センターの職員は、
〇丁寧な言葉遣い
〇待たせない工夫
〇迅速な手さばき
〇チームワーク
〇間違わない工夫
など、細かいところまで考えられた工夫が施されていて、昨年よりグレードアップしているので、感動するのです。
職員のほとんどが女性なのですが、チャッチャとテキパキ、スッスと動く、検診センターの職員の方々を見ていると、『うちの会社にも、こんな集団が欲しい〜』と、まじめに思ってしまうのです。
それも、自分のことはちゃっかり棚に上げて(^^;;
暗示で乗り切る胃カメラ
大の苦手、胃カメラ。
外国人の友人に『毎年、胃カメラ飲むのよ・・・もう、苦痛。。。』というと、
『なんで、そんなの、それも毎年やるんだ』と驚かれるのですが、
日本人は胃がんが多いとのことで、暗黙の了解でほぼ必須項目(-。-;
個人的には年に一度も必要ないんじゃないかとも思うけど、『早期発見』ということを考えると、
『2年に1度やって、手遅れになるとすれば、意味がないか。。。』
とも思うので毎年受ける訳なのですが。
それで、しぶしぶ、清水寺から飛び降りる思いで、胃カメラ検査にのぞんでいるわけですが、きっと、苦手な人が大半なのでしょう。
看護師さんも、内視鏡検査の先生も、とにかく気を使ってくれて優しい。
内視鏡を飲む前に、いろいろ下準備があるのですが、その時の、看護師さんの説明に配慮が感じられます。
わたしは鼻からカメラを入れる内視鏡なのですが、まずは、鼻の奥に、苦いお薬をたら~っと両方の鼻の穴から流し込まれるのですが、その際に、
『苦い液が流れますよー頑張って、ごっくんと飲んじゃってくださいね〜、嫌ですよね、苦いですよね、頑張りましょうね~』
と激励されます(^.^)
次に、胃の動きを穏やかにする筋肉注射を肩にされるのですが、これがそこそこ痛いのです。
わたしは採血の際に、針を刺される痛みなどは、どってことないので、筋肉に注射針をさされて、一瞬ズキンと痛むぐらいはなんてことないのですが、注射をする際にも、
『筋肉注射になりますから、痛いです。ごめんなさいね、でも、がんばりましょうね』と、
刺す前に『痛い』ということを伝えてくれ、心の準備をさせてから、ブスッと刺してくれます。
その次に、鼻の奥と喉の麻酔です。
両方の穴からスプレーをシュッシュッシューと吹き込まれている間に息を止め、一気にごくんと麻酔液を飲み込みます。
そうすると、徐々に唾液を飲み込むのが難しくなり、のどに違和感を感じ、少々不快なのですが数分です。
いよいよ、胃カメラ、内視鏡の時間。
横向きに寝かされ、看護師さんには、
『唾液を飲み込まずに、だら~っと出しちゃってくださいね』と言われるのですが、
わたしは、どうも、鼻から内視鏡のチューブが入ってきて、一度ごっくんと、内視鏡を飲み込んだ後も、
ついつい、ごっくんと、飲んじゃって、胃の中に唾液が流れ込み、先生が胃の中の水分を吸わなきゃならない羽目になります。
処置としては、2~3分なのですが、どうしても、目を固くつぶって、ダメだって言われるほど、ごっくん、しちゃって、
『はーい、りらーっくす、りらーっくす、肩の力を抜いて―呼吸をらく~にしましょうねー』
と、看護師さんに終始よしよしと、体をさすられる始末。
お医者さんもとっても優しそうなおじいちゃん先生で、その雰囲気だけでも救われますが、内視鏡が入っている2~3分は、
『すぐに終わる、大丈夫、大丈夫、すぐに終わる、大丈夫』
と暗示をかけて、なんとか乗り切っているわたしです。
結果、
『どこも異常ないですよ、安心してくださいね』
と言われ、今年のミッション終了。
何度やっても、慣れない検査項目です。
昨年よりも数値がいろいろ改善し、健康体であることを確認できたので何より。
それでは、みなさま have a nice day
by ちびまる