空飛ぶちびまる (自由気ままに)

おひとり様女子のエッセイ

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突然過去に想いを馳せる。13年ぶりに恩人と再会

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画像:photoAC 日和ライフさん

 

過去に想いを馳せる

 

20~40代にやりたかったこと50歳を手前にして、ほとんどやり尽くして、ある意味落着いた毎日を過ごしている今、人生ではじめて、過去に想いを馳せるという経験をしました。

 

わたしは基本、あまり過去を振り返らないし、過ぎ去ったものに未練を持たないし、過去に出会った人たちに自分から連絡を取ったりはあまりしないのですが、それはきっと、あまりに自分の欲望を満たすことに忙しすぎたからかもしれません。

 

でも、そんなわたしにある変化が訪れました。

 

わたしの人生において、重要だった人たちを、ほんと、何気ないふとした瞬間に急に思い出し、そして、「〇〇さん、どうしているだろうか。そういえば、ちゃんと御礼も言ってないかも・・・」と、急に「会って、御礼を言わなくちゃ、後悔する!」という気持ちに支配されました。

 

その時、わたしの頭に思い浮かんだ人は、ひとり。

 

初めての海外生活を実現した1999年に、英語もパソコンも、なんもできなくて、ポンコツだったわたしをどういうわけか拾ってくれて、傍に置いてくれて、成長する機会をくれた当時の上司。

 

シドニーを拠点にバリバリ仕事をしていた日本人女性。

 

当時の彼女の年齢をゆうに超えてしまったわたし。

 

特に、何かを教わったという訳でもないのですが、当時のわたしは、あまりにも何もできなさ過ぎて、知らなさ過ぎて、ある意味ピュア、ある意味世間知らずだったので、彼女の考え方、仕事っぷり、生き方に影響されました。

 

今の自分がいるのは、間違いなく、彼女との出会いがあったからであり、わたしを拾ってくれたからです。

 

大変お世話になった人なのに、わたしは、自分のことで忙しくて、連絡先さえどっかになくしてしまい、10年以上も音信不通にしてしまって、いったいわたしは、なんて薄情ものなのだろうかと、はじめて自覚しました。

 

SNSのすごさ

 

彼女の住所はおろか、電話番号も、メールアドレスも、何にも持ってなくて、どうやって連絡を取ろうかと頭を悩ませていたところ、ここ2年間仕事で使っているビジネス系SNS - LinkedINが頭に浮かびました。

 

彼女はバリキャリだったので、もしかしたら、ビジネスでLinkedInを使っているかもしれないと思って、名前で検索したところビンゴ。

 

経歴から、すぐに彼女だとわかりました。

 

さっそく、連絡を取ったところ、幸運にも連絡がつき、メールアドレスを入手しました。

 

溢れ出る想い

 

心のつっかえがとれるチャンスを手にした瞬間、わたしは、溢れ出る想いを止められませんでした。

 

わたしは、彼女に拾ってもらった時から、今までの自分を鮮明に覚えています。

 

どれだけ、わたしにとって重要な出会いであったか、そして、どれだけ、彼女と過ごした日々がわたしを成長させてくれたか、どれだけ、わたしは彼女の下で働かせてもらったことを感謝しているか、たくさんの想いを時系列に並べて、長文のお手紙を送りました。

 

どこまで自分は勝手だなと思いながらも、伝えずにはいられませんでした。

 

彼女は結構ドライというか、あっさりというか、あまりドラマチックにものごとを捉えないところがあって、そのあたりがわたしは好きで、一緒にいてとても楽しかったのですが、今回も、笑ってしまうぐらい、あっけらかんとした返事だったので、相変わらずだなぁと嬉しくなりました。

 

彼女からの一言。

 

「一歩間違えば、ストーカーよ、あなた」と笑

 

13年の月日を感じたできごと

 

一番、しみじみ思ったことは、彼女の子供たちの成長ぶり。

 

わたしが一緒に働かせてもらっていた時は、彼女の子供たちはまだ小学生。

 

下の子は小学生低学年で、まだお絵かきしたりして遊んでいた幼子でした。

 

そんな彼女の子供たちの写真が送られてきた時には、完全に浦島太郎状態。。。

 

上のお兄ちゃんは、立派な髭が生えていて、ワイルドなダンディーに成長し、下の女の子は、まるでハリウッド女優のような美形で、5スターホテルのバーテンダーになってました。

 

彼女は子育ての傍ら、人事系のコンサルとして、大手グローバル企業に勤務し、インド、フィリピン、中国、そして日本にも駐在していたという、なんともパワフルな人生。

 

13年の時間というのは、あっという間と思う反面、やはり長い月日であるなと感じました。

 

日本で再会を果たす

 

幸い、日本に彼女が遊びに来た時に、再会することができました。

 

それもわたしの街で。

 

会った瞬間、きっとお互いに「年取ったなぁ」と思ったと思うのですが、きっとお互い「変わってないなぁ」とも思ったはず。

 

何が変わってないかというと、きっと、雰囲気ですね。

 

「相変わらず」という、なんとも言えないオーラ。

 

13年間を埋めるには、どこから何を話したら良いのだろうと思ったりもしたのですが、意外となんてことなく、とりとめもないおしゃべりがずーーーっと続き、その感じは、13年前と変わらない感覚でした。

 

わたしの街を案内して、一緒にのっぱらでお弁当を食べて、帰り際には軽く一杯飲んで、あっさり「じゃぁ、またね」とさようなら。

 

目いっぱい御礼を伝えられたから、わたしとしては本望で、もう思い残すことはないです。

 

御礼を伝えた時に、彼女らしいなぁと思った一言が、「わたしは何にもしてないわよ、あなたが自分で頑張っただけよ」と。

 

確かに、何か特別に教えられたという記憶はないけれど、やっぱり、仕事のイロハは、彼女の仕事ぶりに触れ学べたし、今のわたしの仕事の仕方の基本は、彼女の背中を見てきて身についたことだと思うから、やっぱり、わたしにとっては恩人です。

 

また、いつ会えるかわからないけど、いつまでも、元気で生きていて欲しい人です。

 

人の出会いとは不思議なもので、ご縁のある人には、会いたいと思えば必ず会えるものなのだなと、しみじみ感じました。

 

次の十年わたしはどんな風に、何を目指して生きるのか、まだわからないけれど、彼女に恥じない生き方だけはしないと、と思っています。

 

それでは、みなさま、have a nice day

 

byちびまる