空飛ぶちびまる (自由気ままに)

おひとり様女子のエッセイ

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部下の意外な一面に触れる。彼が所属するオーケストラから学ぶ。

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画像:photoACアディさん

 

部下の多才な一面を知る

 

この度、部下の多才な一面を知る機会に恵まれました。

 

彼は20歳以上年下のスタッフで、いわゆるZ世代です。

 

彼はあまり自己主張もしないし、仕事に対しても特に「これやりたい!」という熱もないですし、仕事とプライベートをしっかり分けて、淡々とCoolに仕事をするタイプです。

 

あまり抑揚も熱意も大きく感じられないのですが、どんな仕事をふっても、期待以上のアウトプットができ、とても20代とは思えず、下手すりゃ、ベテランのスタッフよりも断然仕事ができ、優秀です。

 

20歳も年下とは思えない落着きぶり、人への接し方などちゃんとしていて、どちらかというと50歳手前のわたしのほうが落着きがなく、上司からも叱られてばかりで、彼から学ぶ機会のほうが多いと思うほどです。

 

パッと見派手さはなく、どちらかというと地味で真面目、会社では全く目立たないタイプですが、仕事ができるのはもちろんのこと、プライベートで驚く才能を発揮していることを、つい最近知りました。

 

彼は、10代の頃から吹奏楽に所属し、ファゴットという楽器を演奏し続けています。今は仕事の合間にアマチュアの管弦楽団に所属し、年に数回あらゆる地域で演奏会を開催しているとのこと。

 

所属する楽団以外にも、他県から集まる演奏プロジェクトにも参加し、演奏家としての活動をしていることを知り、びっくり!

 

「彼のモチベーションは、ここにあるのかと」、大きな発見でした。

 

彼は、普段はあまり自分の感情や意見などを表に出すことはなく、どちらかというと、聞かれたら答えるぐらいで、まずは相手や周囲への配慮を優先するようなタイプで、与えられた仕事を淡々と卒なくこなし、冷静沈着で感情もフラットに思えたので、まさか演奏家=表現者だったなんて、ほんと、驚きました。

 

あまり自己表現をしないタイプだけれど、内に秘めた熱いものを持っている人なんだなと。

 

そんな意外な彼の一面を知ることができ、勝手ながら、上司として、とても誇らしく思いますし、なんだか嬉しかったです。

 

どこか、親心的な気分です^^

 

演奏家ということは、「表現することが好き」ということだと思うのです。

 

できれば、仕事においても、そのような彼の能力や好きと思えることを伸ばせる環境を提供できればと思いました。

 

今思えば、仕事においても、代理店向けにプレゼンをすることになった際に、まったく彼はそういった経験はなかったのですが、なんとなくできそうな雰囲気でしたので、思い切って彼に全て任せてみたところ、

 

自分なりに情報を整理し、聴き手に対し、どのように伝えれば伝わるかなど、思った以上に熱心に取り組んでくれたので、「もしかして、表現することが好きなのかなぁ」と思う場面があったなと。

 

彼は仕事は仕事、プライベートはプライベートと、仕事を割り切って収入を得るためだけにやっている感じがしたので、もしかしたら、自分が本当にやりたいことは他にあるのかな、とも感じてました。

 

実際に、彼が所属する楽団の演奏に触れ、そのクオリティの高さに驚き、とてもアマチュアとは思えないプロ並みの演奏だったので、どれだけ、彼が演奏家としての自分を大事にしているかということも、とてもよく理解することができました。

 

初めてのオーケストラ

 

わたし自身、小学生の頃に吹奏楽で楽器を奏でていた時期があり、結構ハードに練習もしていたこともあり、クラッシックはどちらかというと好きです。

 

オーケストラの生演奏会を劇場で聴くのは初めてで、実際に、自分がどれだけ興味を示せるかはわかりませんでしたが、彼が近場で演奏会をするというので、足を運んでみました。

 

2時間で3曲の演奏で、ベートーベンとシューベルトの楽曲でした。

 

アマチュアとは思えないレベルで、上手く表現できないのですが、とても美しく、表現豊かなハーモニーが美しく、オーケストラの素晴らしさを知りました。

 

オーケストラは、ソロ演者と異なり、多くの演者が奏でる音との調和が命、誰一人として必要ない演者、音などなくて、ハーモニーを奏でるための必須アイテムのようなもの。

 

また、チームワークと持久力の高さがそのオーケストラの質につながっていくのだろうとも思いましたし、自分よりも全体のハーモニー最優先するという気持ちがないと、オーケストラのメンバーにはなれないんだろうなと思いました。

 

オーケストラのメンバーひとりひとりが、全体的な音のハーモニーの美しさを極めることを最優先するからこそ、自己主張し過ぎず、自分の役割、立ち入りをしっかり理解して、素晴らしい音楽を聴き手に届けているのだなと、思いました。

 

彼が職場で誰とでも上手くコミュニケーションを図り、卒なくその場を立ち回れるのも、オーケストラで学んだ術なのだろうと思った次第です。

 

オーケストラから学ぶ

 

心地良い音のハーモニーの美しさに身を委ねながらも、オーケストラという組織体に好奇心が芽生えてしまい、オーケストラで楽器を奏でる方々を観察しながら、あれこれ考えてました。

 

美しい音のハーモニーを奏でる優れたオーケストラとは、どのような存在なのだろうかと。

 

わたしにとって、オーケストラが奏でる音のハーモニーの美しさは、とても新鮮でしたし、その全体的な雰囲気(空間)に惹かれるのはなぜだろう、また、なんでこんなにも美しい音のハーモニーをこんな大人数で奏でられるのだろうと、考えていました。

 

その一体感の謎について考えてました。

 

指揮者の存在

 

指揮者は舞台のまん真ん中に立ち、ある意味、一番目立つ役であり、主役に見えなくもない存在です。

 

組織でいえば、リーダー的存在、でしょうか。

 

多くの人たちをひとつにまとめ、大義を達成させる役割。

 

動きも派手ですし、とても、とても目立ちます。

 

指揮者の人の吸引力、影響力、表現力がなければ、これだけ多くの奏者の音はまとまらないでしょうし、なんとも言えぬ心地よい音の強弱、ハーモニーは奏でられないのだろうなと。

 

指揮者は、奏者に対しても、観客に対しても、その楽曲の素晴らしさを伝える責任があり、また、奏者の人たちが能力をMAX発揮できるようリードする責任もあるでしょうから、オーケストラを率い、まとめ、楽曲の素晴らしさを音のハーモニーに乗せて、観客に届ける技術と熱意が必要なんだろうなと思いました。

 

完全に素人の感覚で、わたしはプロのオーケストラの生演奏を聴いた経験もないど素人ですが、個人的な感想としては、今回の指揮者の方は、とても抑揚のつけ方が上手で、細かい表現を指揮棒だけではなく、体全体で表現し、奏者や観客にその想いを表現されていたと感じました。

 

一言でいうと、わたしは、その指揮者の表現が好きでしたし、見てて飽きなかったです。

 

華やかな演奏者

 

大所帯のオーケストラの奏者の中で、華やかで目立つ存在と言えば、ヴァイオリン、トランペット、フルートなど、主旋律を奏で、比較的高音領域の楽器の奏者でしょうか。

 

最前列の主旋律を演奏するヴァイオリン奏者は、動きが大きかった方もおり、かなり目立ちました。

 

野球でいえばピッチャー、サッカーで言えば攻めのフォワード、みたいな感じでしょうか。

 

地味に目立つ奏者

 

地味に目立つ楽器の奏者と言えば、大きな楽器のコントラバスや、打楽器のテインパニー、シンバルあたりでしょうか。

 

出番は少ないですが、確実に目立つ音。

 

今回のオーケストラにシンバル奏者はおりませんでしたが、コントラバスとテインパニー奏者はおられました。

 

あの低く深く鳴り響く音は、全体的な音色にも深く、そして温かく、なくてはならない存在ですし、あの音があるからこそ、抑揚もつくというものです。

 

他の楽器と音が全く異なるので、奏でればすぐその存在が浮き彫りになりますし、また楽器そのものが大きいため、地味に目立ちます。

 

隠し味的存在の楽器演奏者

 

全体的な音のハーモニーに完全に溶け込んでしまうというか、料理で言えば隠し味的存在というか、そういった存在の楽器は、トロンボーン、チェロ、ホルンあたりでしょうか。

 

わたしの部下が奏でる楽器は、ファゴットという木管楽器。

 

彼から聞いて、はじめて知った楽器ですが、美しい色、形の木管楽器です。

 

彼曰く、他の楽器に比べると、ファゴットを演奏する人口は多くないそうです。

 

初めて聞いたファゴットの音色は、とても温かみがあり、どこか故郷を思い出す、懐かしい気持ちになるような、そんな深みのある音色だなと感じました。

 

オーケストラはスープのよう

 

この度、はじめてオーケストラの生演奏に触れ、とても豊かな感情を感じることができたので、演奏会があることを教えてくれた彼に感謝したいと思います。

 

また、素晴らしい音色とハーモニーを、楽団の皆さんと一緒に届けてくれた彼、そして彼の才能にも感謝したいと思います。

 

わたしにとってのオーケストラの演奏は、美味しいスープを頂くような感じでした。

 

とてもスムーズで心地よく、温かくて優しい、美味しいスープ。

 

「何をどう混ぜたら、こんなに美味しい味になるのでしょう」という感じで、すべての素材や調味料がちょうど良い感じに、ちょうど良いタイミングで混ぜられていて、どの素材もどの調味料も、主張し過ぎず、でもしっかり存在感を示していて、また、例え、そのままの形が感じられなくても、その素材が入っているからこそ出来上がった美味しいスープ、そんな感じです。

 

オーケストラのそれぞれの楽器の音色も、奏でるタイミング、その時々の音の強弱、音の長さ、奏でるスピードなどが綿密に設計されているからこそ、途切れなく、なめらなか全体的な調和した音のハーモニーが創造され、人々の心の琴線に触れ、感動を与えることができるのだろうと思いました。

 

わたしは、クラッシック通でも何でもないので、プロだろうとアマチュアだろうとあまり関係なく、自分にとって、何か感じられるものがあれば、価値があります。

 

わたしに欠けてるもので、オーケストラの奏者にあるもの、それは、調和することで大義を成し遂げるということ。

 

わたしは、「自分が自分が」と自己主張の塊のような人間なので、今回のことをきっかけに、「調和する」ということを学びたいと思いました。

 

自分が出る時と、引っ込む時、そのタイミングを学ぼうと思います。

 

音楽の秋と有意義な時間

 

今回は、わたしの部下の今まで知らなかった、素晴らしい一面を垣間見ることができ、それは何より嬉しいことで、オーケストラの一員として、生き生きと楽器を演奏している彼の姿を見ることができ、とても誇らしく思いました。

 

人を知るには、一面だけでなく、いろんな角度から見ることが大事と思えた一日でした。

 

これからも、彼が大事にしていることを陰ながら応援し、大事に見守りたいと思います。

 

久しぶりに、いつもとのルーチンの週末から抜け出し、秋の気配が感じられる頃に、素晴らしい音楽に触れることができ、とても充実した時間を過ごすことができました。

 

また、オーケストラをはじめ、クラッシックは、なかなか良いもので、最近、とても心地よく思えるお年頃になりました。

 

せっかくの人生なので、音楽を含め、たくさんの芸術や文学にも触れたいと思えた一日でした。

 

それでは、みなさま have a nice Autumn!

 

 by ちびまる