画像:photoAC_Kangarooさん
with コロナの海外営業
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の問題に直面してから、かれこれ8か月になります。
コロナの問題が深刻化してきた3月頃から、海外での学会展示や顧客訪問が全面キャンセルとなり、航空券、ホテル、展示会などのキャンセル手続きに追われ、その後、各国では完全ロックダウンが実行され、実質上、市場が完全に停滞。
今までに経験したことがない、全世界的な危機に直面し、わたしたちの生活や環境は否応なしに変化せざるを得ない状況。
各国それぞれ状況は違えど、withコロナ対応に直面しているのは事実であり、今わたしは、各主要市場の取引先と共に、なんとか今ある現状にたいして、柔軟に対応するべく問題解決などに取り組んでいます。
海外営業における問題
withコロナで海外営業していく上で、問題点や課題はたくさんあります。
正直なところ、どこから手をつけたらよいか、わからないところもありますが、ひとつずつ解決し、必要に応じて今までのやり方を捨て、withコロナに合った仕事の進め方が必要となります。
特に今、困っている問題は、物流の問題です。
遠い異国の地へ、問題なく商材を顧客に届けることの難しさを実感している今日この頃です。
物流の遅延
ご購入いただいた製品を確実に各国のお客様にお届けするのも仕事のひとつですが、コロナ禍の国際物流は難ありです。
人の流れが止まり、多くの航空会社では、大幅に減便しています。
それに合わせて貨物の空輸のキャパが狭まり、貨物は自社の航空機を持つFedExに集中し、混載便の貨物は、とりあえず空きがあるスペースに詰め込まれ輸送されるという状況です。
USに向かう便はまだ良いのですが、問題は長距離で西に向かう欧州向けの便。
通常は、ドイツやフランスなど欧州大陸にダイレクトに輸送され、そこから欧州各地に配送という流れなので、金曜日に出荷すれば、現地時間の火曜日には到着します。
しかし、貨物が混みあっていると、ひどい時では、現地に到着するまでいくつもの拠点を経由し、1週間~2週間かかって到着する場合もあります。
わたしが扱う商材は冷蔵品なので、保冷剤をたくさん同梱して送るのですが、冷蔵状態を保てるのは、せいぜい5日ぐらいなので、輸送期間が長いと保冷剤が溶けてしまい、冷蔵状態が保てないという問題が発生します。
直近で経験したのは、スイス向けの貨物で、成田を出発した後、
1. シンガポール
2. 中国・広州
3. インド・ムンバイ
4. UAE・ドバイ
5. フランス・パリ
6. スイス・バーゼルなど
いくつもの中東アジアの国々をまわり、目的地に到着しました。
FedExで輸送の場合、経由地の空港やFedEx営業所では、外気にさらされる環境であり、温度管理を期待するのはムダです。
灼熱の外気にさらされても問題ない商材なら問題ないかもしれませんが、わたしが扱う商材は、冷蔵品なので、完全OUTです。
高い費用をかけてせっかく輸送したのに、商材は全て廃棄処分、再発送の手配が必須となります。
似たような事例で2回ほど、泣く泣く廃棄処分しました。
貨物量が大量ではないので、混載便、それもなるべく安くあげようとすると、FedExやTNTなどのキャリアに依存せざるを得ないのが現状です。
日系のキャリアはそもそも値段が高く、また、あまり欧米諸国のデリバリ―にあまり精通していないこともあり、どうしても、グローバルに幅広く展開している外資キャリアに頼らざるをえず、まだ問題解決には至っていません。
ただいま悪戦苦闘中です💦
いろいろ調べてみると、FedExは経由地で冷蔵対応は不可ですし、また、保険対応も一切できないと断言しており、仮に航空機の遅延による損害が発生したとしても、一切責任は負わないと免責事項を明確に謳っています。
日系キャリアは、価格は高いですが、しっかり対応はしてくれます。
経由地で保冷庫が空いていれば、別途料金で冷蔵対応可ですし、欧州までのダイレクト便での輸送をしてくれるなど、もう少し輸送のオプションの幅はあります。
物流の問題は、まだまだ解決しそうにもありませんが、なんとか改善したいものです。
プロジェクトが進まない
各国では日本以上に外出規制が厳しく、ロックダウンに近い状態が続いています。
わたしが扱う商材の顧客は、主に製薬メーカー、診断薬メーカー、政府研究機関、大学病院など。
企業はまだ良いものの、政府研究機関や大学のラボなどは、ほぼほぼ閉鎖状態で、米国のいくつかの大学では、今年一杯無理かも・・・というところも泣
国によっては、そういった研究者向けに試験サービス等を提供していますが、機関によっては、プロジェクトは凍結、取り止めなどに追い込まれているところもあります。
ラボで仕事ができないとなると、どうしてもプロジェクトは遅れがち。
それが売上に大きく影響しているのも事実。
まともに仕事ができていそうな企業を中心に営業活動をして、なんとか売上を回復させなければと、ただいま奮闘中。
リモート営業の壁
IT技術のおかげで、なんとかリモート営業をしていますが、まだまだ慣れない中、試行錯誤中。
米国などIT技術が発展している国においても、face to faceでの関係づくりは重要で、すべてを遠隔営業で済ませられるかというと、現実、そうでもない。
空間を共有し、肌で感じるコミュニケーションは、なかなかビデオ会議では限界があると感じています。
社内の会議で、テーマについて協議し決議するなど、報告・連絡・相談といったものであれば、リモート会議で十分できますが、自分を知らない人、要するに新規顧客を開拓するにあたっては、リモート営業というのは口で言うほど簡単ではないです。
信頼してもらえる、身近に感じてもらえる工夫が必要です。
人は結局のところ、無意識の中であっても、多少なりとも感情が絡むだろうし、感情を動かせるような関係づくりをすることが大事なのだと、わたしは考えています。
実際に会っても、なかなか信頼関係を構築するのは難しい中、PCスクリーンを通して初対面での商談となると緊張や無機的な感じが全面に出てしまい、心を通わせるには何か工夫が絶対必要です。
まだ、答えは見つけられていないけど、何かヒューマンタッチな感覚を相手に伝えられるような工夫をしていきたいと考えています。
こんなわけで、課題や問題だらけの毎日の中、なんとかお客様のお役に立てるように、あれこれと考えて、仕事しています。
わたしに限らず、多くの人たちが、コロナ禍の中で、山積みの課題を目の前にして、毎日お仕事されていることと思います。
24時間テレビのテーマでもあった、
「まずは動く」
そして
「1歩でも前に進む」
というのが大事なのだと思います。
今日も一日、前を向いて、明るく元気に頑張ろう!
have a nice day and stay safe from COVID-19!
by ちびまる