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おひとり様女子のエッセイ

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フィレンツェひとり旅 職人工房めぐり織物職人を訪れる

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フィレンツェにはたくさんの職人工房があります。

 

わたしがフィレンツェに惹かれた理由のひとつとして、職人の街という一面です。

 

昔ながら変わらずに受け継がれている伝統や製作方法、時代の流れに惑わされることなく、誇大広告することなく、優れたものを提供する、そんな素朴さや勤勉さに心が惹かれます。

 

フィレンツェで出逢った職人工房や見つけた優れたものたちのひとつ、歴史ある絹織物の職人工房Fondazione Arte della Seta Lisioを訪問しました。

 

フィレンツェで歴史ある絹の機織り工房LISIO

 

1800年代から受け継がれている機織技術を誇る織物工房 Fondazione Arte della Seta Lisio100年以上の機織の技術を受け継いでいる機織り工房です。

 

フィレンツエの中心地から車で20分ほど走った緑豊な静かな場所に、イタリアの絹織物技法の伝統を守るLisioがひっそりと佇んでいます。

 

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Lisioに到着すると、頑丈な門のアート(機織り職人)と出会えます。

 

しっかりとセキュリティで守られています。

 

Lisioの見学には、事前の予約が必要です。

 

わたしは、現地のガイドさんに見学の手配をお願いし、Lisio見学の際にはここは基本イタリア語しか通じないので、ガイドさんには通訳もお願いしました。

 

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LISIOのはじまりとその歴史

 

Lisioのはじまりは、1870年にイタリア共和国アブルッツォ州のキエーティ(Chieti)という街に生まれた絹の織物職人Giuseppe Lisioが、何年もの間ミラノで技術を学んだ後、1906年にフィレンツエで初めてのお店を開いたことからはじまりました。

 

Giuseppe Lisioは、ルネッサンスと中世に生み出された伝統的なイタリアの職人技術を受け継いでいくことを目的にビジネスをはじめました。

 

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Giuseppe Lisioはイタリア人の画家とともに、絹織物の美しいデザイン技術を生み出し、彼らの優れた技術の評判はすぐに広まり、Giuseppe Lisioの絹織物技術は最高級のものと称えられました。

 

Giuseppe Lisioはフィレンツエで成功を収めると、ローマに2号店、1924年にはミラノに3号店を開きました。

 

1930年代に、最も多くの作品と新しいデザインが生み出されたと考えられています。

 

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戦時中の爆撃でミラノの街もLisioの工房も大きな被害を受け、Giuseppe Lisioは、1933年に4つ目のアウトレット店をパリに開店した後、1943年にこの世を去りました。

 

その後、Giuseppe Lisioの甥のTeodoro Olivieriと娘のFidalmaがお店を再開し、伝統的な絹織物の技術を受け継いでいきました。

 

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Giuseppe Lisioの娘Fidalma Lisioは全て手作業で行われる伝統的な絹織物の技術の継承を目的に、1971年にFondazione Arte della Seta LISIOを設立し、また機織りの技術を教えるための学校も設立しました。

 

遠い昔は、細かいデザインの設計も手作業で行われており、男の子が木製の大きな機織機の上に立ち、絹糸を操る仕事に従事していたそうです。

 

いずれ、デザインのプログラミング作業はシステム化されます。

 

プログラミング作業をシステム化することにより、プログラミングの役割を担っていた職業が奪われ、その時代にはシステム化に対して反対する声も上がったようです。

 

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LISIOの伝統の機織り技術

 

プログラムされた通りに金属の板に穴を開け、そこに何千本もの絹糸を1本ずつ通し、それを機織職人達が1本ずつ糸をくぐらせ1枚の作品に仕上げていきます。

 

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こちらは、金属の板にプログラミングされた穴を開ける機械です。

 

見た目はミシンのようですね^^

 

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プログラミングされた金属の板がこちらです。

 

顧客から依頼された作品のプログラム内容および製作現場の写真撮影は、顧客の著作権と顧客との守秘義務を守るため、固く禁じられてます

 

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この工房では、何十年も作品製作に従事している熟練の職人さんたちが毎日地道に機織り作業をしています。

 

機織り機の仕組みはアナログですが、綿密に作られており、職人さんたちが踏む木の板と腕でその機織り機は操られ、数百~千以上の絹糸が張りめぐられた機織り機から少しずつ美しい布が作られていきます。

 

滑らかなベルベット生地がどうやって作られるのか、細かい刺繍のようなデザインがどのようにして織られて模様が出来るのか、何十年も働いている職人さんに技を見せていだだきました。

 

ベルベットの生地は3回糸を縦糸に通して4回目を通したらカッターで切っていくことで、あのベルベット生地のスベスベ感が出ることを初めて知りました。

 

また、刺繍したようなデザイン生地も、刺繍ではなく機織り機で綿密な作業で織っているのを垣間見て、その職人技には驚きを隠せません。

 

1日に数センチぐらいしか織れないデザインもあるそうです。

 

デザインによっては数年がかりの作品製作になるそうです。

 

話しを伺う限り気が遠くなる作業ですが、一回でも織る作業を間違えると、最初からやり直しなんだそうです。

 

職人さんたちの日々の作業は単調ですが、ひとつひとつの作業が作品製作に重要な作業であり、責任は重大です。

 

Lisio絹織技術の継承努力

 

Lisioで働く職人さんたちのほとんどが創業者の家系ですが、何人か腕の良い学生を採用し伝統を受け継ぐ努力をしているようです。

 

採用されるのは主に欧州の芸大卒の若者が多いみたいですが、本スクールでは日本からも留学生を受け入れているようです。

 

Lisioへの留学をする場合は、イタリア語しか通じないのでイタリア語習得は必須です。

  

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 Lisioの主要顧客は大手ブランドメーカーと教会

 

Lisioの作品は主に教会や世界的なブランドメーカーに納品されます。

 

フェンディとは長年コラボレーションをしており、毎年フェンディが発表するバックのデザインの生地製作を担っています。

 

工房内には、フェンディと一緒に製作した作品が年代別に展示されています。

 

また教会にも生地を納めており、イタリアはカトリック教会が主ですが、教会の祭事で使われる物品や衣類の生地なども、この工房で製作されているようです。

 

なかなか触れられない職人技に触れることができ、また100年以上も受け継がれている巧みな技術を知ることができ、素晴らしいもの見せて頂き良い経験となりました。

 

ちなみに、絹糸は中国の厳選されたメーカーから仕入れて、染色は自社で行っているとのことです。

 

作品をいくつか見せて頂きましたが、色合いと模様の美しさに心を奪われ、見た目もさわり心地ちも一流品というのが一枚一枚の作品から伝わってきます。

 

Lisio工房見学をお願いできる現地日本人ガイド

 

Lisioの工房見学は、フィレンツエ在住の日本人ガイドさん五十嵐陽子さん)Deep in Italy / イタリア好き@個人旅行にお願いしました。

 

五十嵐さんは、とても気さくで、英語もイタリア語も堪能で、もちろん日本語で何でも相談できまsので任せて安心!信頼できるガイドさんです。

 

フィレンツェやトスカーナで観たいこと、経験したいことなどお伝えすると、いろいろと調べてくれて相談にのってくれます。

 

Lisio工房見学にご興味ある方は、ぜひお気軽にコンタクトしてみてくださいね。

 

おすすめのガイドんさんです^^

 

LisioのWebサイトは全てイタリア語なのですが、下記サイトに英語で紹介が載っています。


Fondazione Arte della Seta Lisio Firenze

Via Benedetto Fortini, 143 50125, Firenze

 

 by ちびまる