中谷氏の言葉の魔術
どのぐらい前だろう、この本を買ったのは。
ずっと昔。
わたしが、シドニーにいる頃なので、間違いなく10年以上前。
最後のページを開くと7$とあるので、シドニーの中古書店で買ったんだろうと思います。
今となっては、ぜんぜん思い出せないんだけど、わたしは、この本に、とても惹かれて、今でも、大切に、いつもリビングの目のつくところに飾ってあります。
何に魅かれたのか。
著者 中谷氏の心惹かれるキャッチコピーと、この表紙。
僕が君に魅かれる理由
【感性のいい女性】になる42の法則
だから、君は
毎日素敵になっていく
最高のぜいたくは、”君の感性”を磨くこと。
心の節約してはいけません。
by中谷彰宏 三笠書房
わたしは、このキャッチコピーに、完全に心奪われました。
なぜか。
「僕が君に魅かれる理由」というフレーズを目にした時、わたしは、なぜか、自然と、そして勝手に、その言葉を発している男性のイメージを思い描きましたし、また、そして、そういう言葉を言われる女性が、どんな雰囲気の女性なのかということも、勝手に思い描くことができたから。
このワンフレーズで、ドラマが見えたから、だと思います。
【だから、君は、毎日素敵になっていく】と、自分の知らないところで、素敵な男性がそっと思っていてくれたとしたら、そんな幸せなことってないだろうなぁって、乙女心がキュンとしました。
わたしの中の勝手な想像ですが、そういう言葉を発する男性というのは、どちらかというと、草食系男子で、特別美男子というわけでもないけど、淡々としているけど、意外と周りを見ている、おとなしめ、目立たず、口数も少ないけど、実は自分の考えや意志をしっかり持っている、という感じの男子。
不思議なんですが、わたしが思い描いた勝手な男女の像は、決して恋人でも、夫婦でもなく、つかず離れず的な、特別男女の関係も持っていない、だけどお互いなんとなく、気になる異性、という印象です。
男女の関係に発展しないけど、気になる異性、というのがキュンとくるのです。
これが、男女の関係に発展しない異性同士だから、いいんです。
近くにいるけど、いつも、届かない場所にいるというか、見守っている感じです。
本のタイトルだけで、こんなにキュンときた本は他にないですし、中谷さんの本は、この本意外にたくさんあるけど、わたしが心惹かれて手放せない本は、この1冊だけです。
そして、この表紙のイラスト。
目をそっと閉じて、化粧をしているのかしていないのか、わからないナチュラルな印象の表情で、髪もどちらかというと無造作に束ねられている印象。
イメージ的に、今は亡きZARDの坂井泉水さんのような容姿と雰囲気の女性。
美形なのに、自分自身では、あまり容姿を気にしていなそうな女性。
こちらも、どちらかというとおとなしめで、口数は少ないけど、芯がしっかりしていて、決めたら自分で決めて行動に移せる知的で、かつ穏やかな女性、という印象です。
男性にしたって、女性にしたって、いずれにしても、落ち着いた感じで、毎日をちゃんと生きている一見普通の人たちだけど、ピカピカの品性を持っている印象です。
たった数行のキャッチと1つのイラストで、ここまで勝手な想像やドラマを自分の中で繰り広げられる本の表紙は他には出会ってません。
著者の中谷氏の言葉の作り方には、学ぶところがたくさんあるなぁと、個人的に思っています。
人によって、ピンとくるキャッチや表紙の印象などは、全然違うと思うのだけど、この1冊はわたしにとって、特別な1冊です。
感性のいい女性
感性って、なんだろう?
よくよく考えてみると、意外とわからないもの。
ググってみると、
〇物事に感じる能力(センス)
〇非言語、無意識、直感的
みたいなことが出てきます。
わたしが思うに、感性とは、個々人が持っている美意識や価値観、生活習慣からにじみ出るしぐさや言葉、そして行動に表現されるものなんじゃないかなと。
美意識や価値観、そして生活習慣。
この3つって、個々人が何を思って、何を感じて、何を大事にして生きているのかということが、大きく反映されることだと思うんです。
そして、この3つからにじみ出るしぐさ、行動、非言語/言語での表現を全てひっくるめて、感性(センス)というのではないかなと思います。
それは、個々人が、育ってきた環境や、常日頃から深く考えている思考から磨かれるものと、その人がそもそも持っている先天性の素質の両方があるかと思います。
この本の中で紹介している感性というのは、はっとさせられる、ちょっとしたしぐさや、振舞いです。
ひとつ、ひとつの所作に、どれだけ繊細に、気を配れるか、気がつけるか、思いやりを持てるかという観点で書かれていると、わたしは思っています。
一言でいえば、丁寧に生きることで、洗練される感性。
物質的に高価なものを身にまとうことなく、品性と美しさを醸し出せるオーラを持っているかどうか、ということだと思います。
心のありかたひとつで、人は美しく輝ける、ということを教えてくれる1冊です。
自分を見直す
たまに、横顔を見ているだけで、見とれてしまう美しい容姿を持っている女性を見かけます。
女優さんがそうですね、見ているだけで、きれいだな~って、思います。
シンプルに、美人って、いいなぁ~って、思います。
残念ながら、わたしは、そういったすらりとした美人なタイプではないんです、身も心も振舞いも。
どちらかというと、ちびまるこちゃん的な、童顔でまる顔で、どこにでもいるような平凡な顔。
漫画チックで、キャラとしては、いつもいじられキャラというか、酒の肴にされやすく、そして自ら自虐ネタで盛り上げてしまうような、どちらかというと、色気も、オーラもへったくれもないキャラなのです。
容姿がそんなこともあり、性格的なところも、しぐさも、所作も、どちらかというとスマートというよりは滑稽というか、颯爽というより、モタモタというか、あまり自慢できるようなものではありません。
半ば、諦めもあったりして^^;
自分のキャラが嫌いとか、そういうのではなくて、どちらかというと、わたしは、わたしで、それなりに味というものもあるわけで、そのままで良いと言えば良いのですが、とは言え、やっぱり、自分のいないところでこっそりと、「素敵だね」って誰かに言われてみたい欲求がないかといえば、そりゃあります。
わたしだって、素敵になってみたい。
日々の忙しさや、年齢的に「もう、いっか、どうでも」と投げ出してしまう怠惰さもあったりして、わたしが、この本の中でイメージする「感性のいい女性」からは、程遠いところにいます。
久しぶりに、この本を手にとってみて、10年以上前に初めてこの本に出合った時の自分と、10年以上たった今の自分を比べてみて、自分は少しでも、自分が思い描く自分になれているのかどうか、見直してみるのも良いのではないかと、ちょっと思ったりもします。
世の中一般的な美人さんには、今更なれっこないのですが、感性を磨くということであれば、努力次第でなんとな少しは素敵になれるかもしれないという希望的観測ではありますが、
感性の豊かな女性は、ルックス美人や性格美人を逆転することができます
「僕が君に魅かれる理由 - 感性のいい女性になれる42の法則」by 中谷彰宏氏
という言葉を頼りに、この本のエッセンスをひとつずつ、紐解いてみて、自分の個性と照らし合わせて、どんな努力ができるのか、見直してみようと思います。
わたしは、女性というより、魅力的な人間でありたい(になりたい)という欲求が、人一倍強いです。
でも、そう思う割には、それほど努力していない自分もいるので、この本をまた手に取ったことを機会に、少し自分を客観的に見つめてみようと思います。
byちびまる