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プレゼンの難しさ
「短く、わかりやすく、簡単に。」
きっと、プレゼンは、これがすべて。
長い話、小難しい話は退屈かつ弊害。
わかっているはずなのに、ついつい長くなってしまう、独りよがりの、もりもりのプレゼン資料を使って説明してしまう。。。卒業したいですね、こういったことから。
伝えたいことが山ほどある話し手。
要点だけをさくっと聞きたい聴き手。
ここには、常に大きなギャップがあります。
スタート地点で、聴き手が興味を示すかどうかわからない、でも、なんとか、興味をもってアクションを促したい、だからプレゼンする、そういったプレゼンは、めちゃくちゃ難しい。
「伝えることの難しさ」を常に感じながら仕事してます。
一方的に話すプレゼンの長さは、長くてMAX20分。
30分超えてくると、聴き手にとっては苦痛でしかない。
よっぽど、話し手に興味があり、かつ話し手が聞きたがっているなら30分でも1時間でも良いかもしれないけど、たいていの場合、そんなシチュエーションはない。
なのに、、、やってしまう、10枚をはるかに超えるパワーポイントのスライド作成。
ひどい人だと20枚、30枚、それも、細かい!!!
それを、異国の地で欧米人に説明しなきゃならないのが、わたしの仕事。
自分が聴き手側の人間だったら、「あー、これは、退屈極まりないだろうなぁ。。。」と思うプレゼン資料をもらって、「どうしよっかなー、、、」と、その対応に窮してます・・・。
海外事業開拓の仕事をするわたしは、会社から、あれこれとミッションを頂き、欧米企業相手にあれこれ話をし、商談をまとめる役割なのですが、どうやって、目の前にある、小難しいことを端的に、かつ簡単な言葉で説明したらよいのか、あれこれ考えている最中です。
なかなか答えが出ないまま、渡米の日がじりじりと近づいてきてます・・・。
相手のメリット優先
プレゼン資料を作る時って、どうしても、自社の製品の特徴や、いかに自社製品が優れているか、みたいな内容をもりもりに盛って、長々と説明しがちですが、たぶん、聴き手にとっては、そんな話は、たぶん、ずーーーーーーっと後でよくって、、、今(最初の掴みの時)じゃないんです。
結局、聴きたいことって、
「で、わたしに、いったいどんなメリットあるの?」
この1点だけだと思うんです。
なので、何十枚もの、なんだーかんだー細かく書いて送ってこられた社内関係者のプレゼン資料は、上司だろうと、役員だろうと、バッサリ切り捨て、まったく違う切り口からスタートしMAX10枚のPPT(文字少な目で図メイン)で作り直ししてます。
わたしの仕事の場合、ビジネスサイドの話が多く、例えば、うちが持ってる技術や商材を使って、市場開拓やビジネス展開する際に、ローカルの代理店、もしくは協業者(要するに投資してくれる人)向けのプレゼンが多いです。
話す相手は、だいたいローカル取引先(例えば北米)の社長とかです。
ライフバイオサイエンス業界なので、ちょっと小難しい学術的な話が絡む商材が、うちの商材なのですが、正直なところ、私自身もサイエンスのバックグラウンドはないし、相手もないので、細かい技術的な話は、あんまり聞きたくないのです。
なので、とーーーっても簡単な言葉で、「要するに何が、どう、いいの?」だけが知りたい。
そのあたり、わたしは、社内の技術者と、全くサイエンスのバックグラウンドがない代理店社長との間にはいって、言葉を咀嚼し、簡単な言葉で伝達をし、双方にとって、「メリットあるよね!?あるでしょ!?」的な感じに結果を出さなきゃならない立場です。
聴き手が知りたいこと
北米の取引先にとって興味があることは、要するに「稼げるかどうか」です。
他にはなくて、自分たちだけが取引できる商材で、どれだけ稼げて、安定的なリターンが得られるか、そこさえ感じ取れれば、あとは細かいとことは正直、どーでも良いのです。
もちろん「真っ当なビジネスで稼ぐ」というのが大前提ですが、どれだけ、市場において魅力的なポジションで商売ができ、どれだけの市場規模(需要の大きさ)があるのか、そして、それはなぜ、うちの技術で成し得るのか、そのポイントが「ストーンと腑に落ちる」というプレゼンができれば良いのだと思います。
でも、これがめちゃくちゃ難しい!!!
うちの会社でありがちなのが、めちゃくちゃ細かい技術情報からプレゼン構成してしまうこと。
技術者同士で話す資料としては良いのですが、そうじゃない場合、まぁ、退屈ですし、なんの結果も残せないです。
ビジネスサイドの人間にとってみれば、細かい技術情報はどーでも良いこと。
もちろん、肝となる技術の売り情報は必要ですが、あれもこれも、細かい技術情報は正直要らないし、聞いてもわからない、なので要らないです。
また、インパクトが低いデータや、つまるところ、何がどう、いいの?というのがわからない研究結果も技術情報も要らない。
米国投資家に教わったこと
最近、ある技術で北米参入するにあたり、あれこれ考えて居た際に、ある米国投資ファンドと商談する機会に恵まれました。
自分なりに、要点をまとめて、端的に説明したつもりでいましたが、「何にフォーカスしているのかイマイチわからない」とのコメントを頂いて、
1.What is the issue? (課題は何か)
2.How you solve the issue? (解決策は何か)
3.Why your sevice can sovlve it? (なぜ御社の技術なのか)
この3点をパワーポイント5枚程度で説明できなきゃダメ、と手厳しい助言を頂きました。
でも、この助言にとても納得しました。
結局聴き手は、ダイレクトに、上記の3点のみを理解したいのです。
そしてそれが、どのように、自分にメリットがあるのか、それだけを知りたいのです。
上記のシンプルQuestionsに、端的に答えられなければ、相手には伝わらない。
そう思いました。
特に、日本人のプレゼンは、結論が先じゃないので、欧米人にとっては、とにかくわかりずらいし、最後まで聞かないと結論がわからないというのは、イライラするかもしれません。
わたし自身もスーパーせっかちなので、まずは、結論から聞きたいし、その後に、なぜ、その選択なのか、その答えなのかをききたい。
なぜ、うちの技術なのか
以外と難しいのがこれ。
わたしは2019年から、世界各国で営業マーケテイングの活動をしてきて、どこに行っても問われたのがこの一言。
「Why You, your service should I chooose?」
「なぜ、あなた? あなたの商材を、あなたのサービスをわたしは選ぶ必要があるの?」ということ。
「なぜ、他じゃなくて、あなたじゃなきゃだめなのか。」という問いです。
正直なところ、競合他社に大きく秀でる技術を持っている企業が、世の中にどれだけあるのかなと、思いますが、、、少なくとも、わたしが扱う商材、サービスにおいて、これといって、めちゃくちゃ突出している技術・能力・サービスというのはありません。
他と、性能的にはさほど変わらないものばかり。
どこも、それなりに良いものを出しているし、ユーザーにとってみれば、それほど差はないのです。
わかりやすい例でいうと、携帯電話会社と一緒です。
その中で、「なぜ、わたし」を選ぶ必要があるのか、その理由が必要です。
それはきっと、うんちくじゃないと思いますし、また、優れた戦略や計画などでもないのだと思います。
もっと、ソフト面なのかなと。
「あなたが好き」
「あなたが売るものが好き」
「だから、あなたから買うわ」
ということなんだと思います。
ベタな結論ですが、、、好きということは、何かしら、自分にとって有益であることが大前提です。
そのことを、どう伝えるか、それは、まだわたしも答えがありません。
でも、いずれにしても、人は、自分にとって都合が良いもの、気持ちが良いもの、ワクワクするもの、夢中になれるもの、便利なもの、安心を与えてくれるもの、そういったものや人が好きです。
そういった存在に、自分はなれるのか、そして、自分が扱うものは、そういったものになれるのか、それが鍵なのだと思いますが、それをまた、「どう、伝えるのか」、それが、腕の見せどころとなるのでしょう。
わたしはまだ、そんなファビュラスな能力を持ち合わせてませんが、いずれ、そういったスキルを身につけたいものです。
それでは、みなさま、have a nice day
by ちびまる